東京地方裁判所 昭和45年(ワ)5155号 判決
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〔判決理由〕慰藉料
1 被害者徹が二三才、大学卒業後就職満一年で本件事故により死亡したことその他の事情を考慮すれば、その遺族の受けるべき慰藉料総額は三六〇万円をもつて相当とする。
前掲戸藉騰本によれば、亡徹につき民法七一一条所定の遺族であつて、被害者死亡時の生存する者は父垣内茂、母垣内尊子であるので、右両名はそれぞれ右慰藉料総額の2/1ずつ請求権を取得したものというべきである。
2 <証拠>によれば、右両名の請求権は贈与により、原告岡田、同仁尾に各5/2、同坂下に5/1の割合で移転したことが認められる。
被告らは、慰藉料請求権に譲渡性がないと主張するが、金銭債権として具体化した右請求権の譲渡を妨げる理由は見出せない。
(当裁判所は被害者の死亡に基づく慰藉料請求権がまず死亡者において取得し、これが相続されるとの構成を、一様に否定するものではない。けれども、権利関係を簡明にするため、民法七一一条の遺族の固有の請求権を認めることによつて、その事案に適切な解決が得られる場合には、これを認めるだけで足りると考える。その故からして、右範囲の遺族と死亡被害者と間の個別的な事情は慰藉料の額を減ずる事由の面においては重視しないことを原則とする。)(高山晨)